ボトルのサポートを受けて変化していく自分と向き合う
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Text and Photography by たなかのりこ
「色との出会い」
若い頃から、色に関わるお仕事を続けていたが、気が付けば特に資格をとることもせず過ごしていたことに気付く。そんな時に「色彩検定」という情報が飛び込んできた。もともと「環境色彩」という考え方には興味があったという清水先生は色に関して学びながら「カラーセラピー」の世界も知ることになる。
「見なかったことにしよう・・・。」
初めてカラーセラピーを知ったときの先生の感想である。何だかいたずらっ子のようにそう話される清水先生は、直感でハマる!と身体で感じたのだそうだ。それを知ってしまったら、そればかりの方向に邁進してしまって、他のことをしなくなるだろうと直感された。それだけ、衝撃的に先生の心を奪ったのだろう。
先生は、その前にやるべきことがあるのではないだろうかと心に言い聞かせ、しばらくは触れないようにしていたという。
「思うとおりに歩めばいいのよ」
これはアメリカ・バーモント州に実在したターシャ・テューダという女性の言葉である。絵本画家の彼女は理想とする暮らしをするために家族でバーモント州に移住し、思うとおりの生活を自然体で送った人である。彼女が満喫した山奥でのナチュラルライフはマスコミで取り上げられることもしばしば。自然の中で過ごす彼女の幸せな暮らしぶりを紹介する出版物も多数ある。その中の1冊の写真集が、閉じていたはずの清水先生の心のトビラを開くことになった。
「思うとおりに歩めばいいのよ」
そう言い切るターシャ・テューダのありのままの姿に、
「自分を表現してもいいんだ」
と清水先生は思ったのだという。
何故か触れないようにしてきたカラーセラピーという世界。今度こそしっかりと向き合ってみようと思ったのは、清水先生を取り巻く環境にも変化があり、自分のやりたいことへ時間を使うことも余裕をもってできるようになったからともおっしゃる。そんな先生のお話しに、まるで会わないようにしていた人と必然的に再会したような印象を感じたのだった。
「光と色と存在」
オーラは「光・色」ソーマはギリシャ語で「身体」やアラム語で「存在」を意味する。HumanのHueとは「色相」のこと、そしてmanが「存在」を意味する。人間は色の存在なのである。
一般的に知られているカラーセラピーという癒しの方法の中で、イクイリブリアム(二層に色が分かれている)と呼ばれるものを使って自らの潜在意識を引き出し、気づきの扉を開いていくものをオーラ・ソーマシステムといい、1983年にイギリスのヴィッキー・ウォールによって創始された。
ボトルの誕生順に規則的に並べられたイクイリブリアムボトルを選んで、その色のメッセージから自分を知り、これからの自分を意識していく。ボトルの色の意味にサポートされて自分自身に向き合っていく時間がそこにはあるのだ。
清水先生はそれまで進んできた「色」についての学びの中では答えが出なかったことも、オーラ・ソーマに本格的に触れてから、分かったことも多いとおっしゃる。
ある時、ご自身のクローゼットにブルー系の服ばかりがあることに気付いた。ブルーは自分探しの色なのだそうだ。例えば完成前の予想図を想像することを「青写真を描く」と言ったりすることがあるだろう。まだ現れない現実についてどうしていこうかと思い巡らせる意味が「青」にはある。「青写真」という言葉の示す意味もあらためて感慨深いものだ。
無意識に自分が選んでいる「色」に意味があるというのは、知らない自分を知るようで何だかとてもワクワクする。自分が存在している意味を問うとき、または自分探しの中でこの手法を学んでおくということはとても意味深いのではないだろうか。大切なもの(知ったらそれしか見えなくなるほどのもの)を見つけてしまった先生が"大好きなものは後から食べよう(学ぼう)"とあえてワクワクした気持ちを抑えていた様子が本当に可愛らしく印象的だった。
フードコーディネーター たなかのりこ
フリーライターでフードコーディネーター。ズバリ「おいしい」という感動を伝えたくて書き続ける。
只今食と住のはなし更新中。
自身でも男性のための料理講習「メンズクッキング」で講師をし、学ぶ→伝える(教える)を実践中。まだ知らない学びの場の発掘のため、いろんな所に出没します!